前回の妄想編、の続きです。話の流れはこちらとも関連します。話の流れで言えば以下の感じ。
- う~ん、物理デバイスが無いとHtper-V上の仮想OSでサウンドがストリームされないよ…
- 解決策が見当たらないし。Technetサポートを使ってみよう!
- 折角だし、blogの記事として起こしてみるか・・・、あれ?ひょっとして解決策が見つかった・・・? (妄想編)
- 実験したら予想が的中しちゃったよ・・・、MSさんごめんなさい。メールでまとめて送ります・・・ (反省編)
- MSさんから返答が来たのでまとめるか~・・・ (←今ここ)
結果も何も答えは既に妄想編に書いてあるように物理デバイスを持たないデバイスドライバを追加してあげる、ということです。そもそもWindowsアーキテクチャと3rdパーティーが実装するであろうリモート接続環境の方法を妄想すれば自明なことだったのかもしれません。
3rdパーティのリモート接続環境がオーディオストリームをフックする為に予想される場所は2箇所。
- オーディオ操作のためのWin32APIをフックする (Win32API Hook)
- オーディオ出力のためのデバイスをフックする (上位のClass Filter Driver)
つまりはハードウェアレイヤーより上位のレイヤーによる部分で実装されているはず・・・なのです。となれば、妄想通り3rdパーティのリモート接続環境がフックするための物理デバイスを要しないデバイスドライバを追加してあげればサウンドのストリームがされるはず、と。
ただ、前回も書いたようにこれを自前で用意するとなると非常に苦痛な作業で、これも探してこようと。で、見つかったのが”Virtual Audio Cable”というデバイスドライバ。内容的には、各種サウンドデバイスをPin接続する(KSProxyのPinを内部的に切り替えている、のだと推測します)というのを仲介するっぽいです。ググった感じではネットラジオやニコ生放送で内部出力(ヘッドフォンetc)と外部出力(ストリーミング)を1音源から行いたい場合に使うようです。もちろん、今回はそんな用途とは全く別の使い方をしますが。
VACは評価版があるようで、評価の場合に以下の制約を受けるそうです。
- 内部的なケーブルとして3ケーブル分しか使えません
- 数秒ごとに女性の声で”Trial”というボイスが挿入されます
インストールは簡単、VACのサイトからダウンロードして展開すると”setup.exe”があります。x86, x64のどちらの環境も”setup.exe”でインストールをしましょう。VACのページにも再三警告がありますが、以前のバージョンがインストールされている場合は必ずアンインストールしてね、という警告があります。そもそも今回はHyper-V上のゲストOSに対するインストールなのでHyper-Vらしくスナップショットを事前に取っておきましょう。
途中で信用できない発行元からのデバイスドライバをインストールするかどうか、の確認が表示されます。もちろんここは信頼してインストールします。
インストールが終わったら一旦再起動します。再起動は聞かれていませんが、再起動しないと何故か再生ミキサーに出現しないし、何より再起動することで安心できますよね。再起動後は既にVACがデバイスとして有効となっているのでいよいよiPadからの”Splashtop Remote Desktop”を経由した接続テストです。
図にあるように、音量ミキサーを開いてサウンドをミュートから鳴音(めいおん)状態へ変更します (1月6日訂正)ミュート状態でもリモートサウンドが再生できました、VACデバイスのゲインが上下に振れていれば出るっポイです。後は、ZuneなりiTunesなりお好きなミュージックソフトウェアからテストをします。きっとサウンドが聞こえるでしょう。
以上で、Hyper-V上のゲストOSから”Splashtop Remote Desktop”を使用してサウンドストリームをリダイレクションする方法の一連となります。これによってより一層Hyper-Vによるクライアント仮想化とモバイルデバイスという2つの技術に価値が見出せたのかなと。さて、ここで忘れてはいけない2つの部分を書いておきます。
1. VACのトライアル版って”Trial”みたいな音声が邪魔にならない?
今回の方法ではトライアル版での使用でも”Trial”という女性のは再生されません。というのも、”Splashtop Streamer”がサウンドストリームをフックしているのは恐らく入力側であり、”Trial”という声を入れるのはVACの出力側であろうと推測されるからです。が、しかしDonateだと思って購入しましょう。
特に自分の場合は独学でデバドラをかじったこともあり、あの苦痛ともいえるプログラムを製品まで持っていったプログラマを心から評価したいと思っています。意味不明なブルーバックのオンパレードは心をへし折るには十分すぎました(実際は意味があるんです、BSoDというあの画面には。でも、理解が乏しいと本当に意味不明なんです)。
2. Technetサポートから得られた情報は?
結果的にホストOSの物理デバイスを恒久的にゲストOSに割り当てる方法は無いらしいが、Windows7上のVirtualPCを用いれば割り当ては可能、だとのことでした(KBとしての資料ではないので確約が無いことは悪しからず)。今回はあくまでHyper-Vが前提となるのでこれを用いることはできませんが、覚えておこう、っと。Hyper-V3.0ではきっと恒久的なデバイスの割り当てができるよね?って期待を念押ししてサポート終了となりました。
※ サポート段階では知らなかったのですが、今ざっと見た感じではFiber, NUMAなどの複数台PCによる処理系が強化されているっぽいのかな・・・。物理デバイスの割り当ては無さそうな感じですね。まだ、Developer Previewのようなので、更なる機能追加に期待します。